Happy T1D Life

1型糖尿病患者の大村詠一が日々の療養生活や研究情報などを患者の視点でつづっていきます

FreeStyleリブレのセンサーは、飛行機に乗るたびに外す必要があるのか?

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FreeStyleリブレのセンサー

 

私は、FreeStyleリブレの愛用者です。

2016年の熊本地震の際に、福岡からの物資運びなどに夢中になっていたら自分の血糖管理がお粗末なことになっていましたし、ストレスも影響してかなかなか下がらない血糖値を下げたいと個人輸入で mmol/L (1mmol/L = 18mg/dL)表示の製品を使ったりしていました。

2016年から利用していると、仕事の関係で飛行機に乗ることも多く、インスリンポンプのセンサーに習って最新版のボディスキャナーや MRI のときだけ避ければ、問題ないと信じ込んでいました。

FreeStyleリブレって何?という方は、下記リンク先をご覧ください。

 

www.dm-net.co.jp

 

 

そしたら先日、いつも有益な情報を提供してくださる日本糖尿病協会さんの Facebook ページに目を疑いたくなる資料が掲載されました。

 

 

(PDF)インスリンポンプ・持続グルコース測定器は磁気の影響を受ける可能性があります。検査前に必ず取り外しをお願いいたします。

https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/cgm_mri_2.pdf

https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/cgm_mri_2.pdf

 

 

いやいや、血糖自己測定器加算(月120回以上測定する場合)1,490点の診療報酬Maxでお願いしても1ヶ月に2個(28日分)しか処方されないものを、検査の度に外してたらたまりません...

 

 

要は、検査で何かあっても自己責任ですからねってことでしょうが、私の場合は、今まで装着したまま検査を受けても問題は生じなかったので、これからも着けたまま検査を通過することになりそうです。

 

 

検査前後のグルコース値と血糖値のデータの乖離率について調べたデータを集めれば、このお触書は収められるのでしょうか...

あまりにショックなお知らせでしたので、共有させていただきます。

え⁉︎糖尿病に種類があるの?

 

https://www.instagram.com/p/BVFJxJEgJya/

 

 

1型糖尿病になると、糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2つがあると説明しがちですが、実は原因別に分けると大きく以下の4つに分けられていることを知らない人が多かったりします。

 

 

1型糖尿病

2型糖尿病

③ その他の糖尿病(2次性糖尿病とも言う)

④ 妊娠糖尿病

 

 

ぜひ、自身の病気を人に紹介することの多い患者さん自身も知っておいてもらえたらと思いますし、自分も一患者としてしっかり勉強しようと思います。

 

 

詳細は、日本糖尿病学会糖尿病診断基準に関する調査検討委員会:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告,糖尿病53:455,2010からの引用も使って下記リンク先に紹介されているのでご覧ください。

 

 

www.club-dm.jp

 

 

そして、この記事を書くために参考となる情報を集めていたら、図付きで説明するサイトを見つけたので、ご紹介します。

個人的には、2型糖尿病は遺伝的要因も強くて、日本人だと BMI 値が正常でも関係なく発症することがあるよってことをもう少し強調してほしかったですが、見やすいなと思いました。

 

 

port-medical.jp

 

 

最近は、糖尿病は5つに分類できる――北欧で最新研究 - BBCニュースなんて研究もありますが、各個人の生活や体質によって治療を変えていかなければならない糖尿病の治療が、これまでの医学や科学技術の進歩に、オンライン診療や AI などが加わって、より各個人に最適化したものになっていくことを願います。

 

1型糖尿病が題材の漫画「Hello,world」がforMrs.スペシャル2018年6月号に掲載中!

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漫画家の山田圭子先生が描かれた、1型糖尿病の少年を主人公にした漫画「Hello,world」が forMrs.スペシャル 2018年 06 月号 にて掲載中です。

forMrs.スペシャル 2018年 06 月号 [雑誌]

forMrs.スペシャル 2018年 06 月号 [雑誌]

 

 

 

山田先生は、秋水社WEB雑誌ロマンス・ユニコ(毎月第3木曜日公開)で「奪われよ、かの野獣に」を連載中で、代表作に『ゴーゴーヘヴン!!』などがあります。

 

 

 

また、1型糖尿病の主人公の恋愛を描いた 【1型】~この赤ちゃん1型糖尿病です~ とう書籍扱いコミックスも描かれています。

 

 

なかには細かい設定や医療行為について指摘される方もいらっしゃるようですが、私は漫画という世界でも親しまれている媒体で「1型糖尿病」という病気について知る機会を提案して下さった山田先生に感謝です。

 

 

forMrs.スペシャル 2018年 06 月号 に関しては、1型糖尿病だけでなく、更年期障害摂食障害、大腸がんに膠原病などなど、いろんな病気を取り上げた漫画が集結しています。

 

 

一般の方はもちろん、すでに病気の方も、他の疾病についてまずは浅くでも広く知るきっかけにしてはいかがでしょうか?

5/26(土)第61回日本糖尿病学会年次学術集会 市民公開講座の申し込みは来週17日まで!

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引用:市民公開講座 | 第61回日本糖尿病学会年次学術集会 【 2018年5月24日(木)-26日(土)東京国際フォーラム他 】

 

日本中の糖尿病に関する医療従事者が一堂に会し、「この期間に糖尿病になったり、症状を悪化させてはいけない」と言われる3日間(5月24日〜26日)がやってきます!

 

第61回日本糖尿病学会年次学術集会

 

糖尿病に関する研究が臨床データが発表されたり、最新の医療機器が展示されたりするこの会は一般の方向けのものではありませんが、会期の最終日に入場無料の市民公開講座が予定されています!

 

催事名:第61回日本糖尿病学会年次学術集会 市民公開講座
日 時:2018年5月26日(土)14:30〜16:40
場 所:東京国際フォーラムC棟4階 ホールC

参加費:無料

 

今回のテーマは、「糖尿病と食―和食からみるサイエンスとアート」。

1型糖尿病は、摂取した糖質などを吸収するのに必要なインスリンを補充すれば「何でも食べられる」わけですが、「どれだけでも食べられる」わけではありません。

普段のインスリン療法ないしインスリンポンプ療法に食事療法を組み合わせるのは非常に有効だと思いますので、ぜひ会場で聴講してみませんか?

(元アスリートとしては、運動療法もよろしく!って、声を大にして言いたいw)

 

詳細は、下記のリンク先をご覧の上、参加希望の方は、申し込みフォームから先着順の参加権を勝ち取ってください。

 

www2.convention.co.jp

 

私も、お目当てのほまれ 管理栄養士・健康食育シニアマスター 國枝加誉さんが出演されるので、聴講しに伺います。

 

それでは、会場でお会いしましょう!

 

 

横浜市立大学の研究グループが「血管網を有する膵島」の作製ならびにマウスへの移植後の生存率向上を発表!

今夜は、横浜市立大学の研究グループが発表された研究を紹介します。

まずは、研究を発表された横浜市立大学のニュース記事はこちら↓

 

www.yokohama-cu.ac.jp

 

横浜市立大学 学術院医学群 臓器再生医学 谷口英樹主任教授、武部貴則教授(同大先端医科学研究センター教授・東京医科歯科大学 統合研究機構教授・シンシナティ小児病院准教授)、髙橋禎暢(研究当時大学院生)らの研究グループは、さまざまな臓器等より分離した微小な組織片を血管内皮細胞及び間葉系細胞と3次元的に共培養することで、血管網を有した立体組織を自律的に創出することに成功しました。さらに、アルバータ大学(カナダ) 金 達也教授との共同研究により、本手法をマウス・ヒト膵島*1に応用した結果、血管網を有した膵島組織を創出できること、得られた血管化膵島(新法)の移植により重症糖尿病モデルマウスの生存を大幅に改善することなどを見出しました。血管化膵島移植*2は早期の血液灌流*3を通じた膵島の構造化・機能化を促していると考えられ、治療効果に優れた新たな移植手法の確立に繋がるものと期待されます。

 

用語説明

*1 膵島:膵臓内に分布する島様の構造体で、数十個から数百個の細胞からなる、直径50~200μmの多角体。血糖値を調整するインシュリンなどのホルモンを分泌する。

*2 膵島移植:何らかの原因で膵島が壊れ、インシュリンを分泌できなくなると糖尿病となり、高血糖や重症低血糖に苦しんだり、合併症の進行を防ぐことが難しくなる。そのような糖尿病患者に、臓器提供者(ドナー)より提供された膵臓から膵島細胞のみを分離して移植する治療法。膵臓移植と異なり、外科手術が不要で、患者さんの負担が軽いことが特徴。

*3血液灌流:血管を通して臓器や細胞に血液を流すこと。

 

 

ざっくりまとめようと意気込みましたが、問い合わせ対応等で1日が終わってしまいそうだったので、事務局にまとめてもらって最終確認だけさせてもらった記事がこちら↓

 

press-iddm.net

 

 

膵島移植のメリットは、臓器移植の膵臓移植と違って点滴で済むところ!

 

そして、うまく生着すれば、血糖値に応じてインスリンを出す膵β細胞のおかげでインスリンが分泌されるのはもちろん、血糖値を上昇させるグルカゴンを分泌する膵α細胞も膵島には含まれるので、重篤低血糖が起こりにくくなることが最大の魅力です!

 

しかし、うまく生着しないとインスリン離脱するには複数回の移植手術が必要になったり、生着した膵島細胞が複数年で機能しなくなるのが課題と言われています。

 

その中で、研究者の方々はより生着率が高く、生存率が高い膵島移植の方法を考えられています。

 

膵臓から膵島に単離する方法だったり、膵島を移植する部位の検討だったりと工夫がめぐらされる中で、今回の研究グループが行っているのは、移植する膵島をそのまま移植するのではなく、血管を張り巡らせて移植する方法です。

 

実際に血管網を有する膵島(血管化膵島と言うそうです)の作製にも成功し、移植後の結果も良好ということで非常に画期的な研究なんじゃないかなと、研究好きな一患者は興奮したのでした。

 

ミクロカプセルやマクロカプセルなどの自己免疫からの攻撃を守るカプセルなどで包むときは血管が邪魔にならないのかな?この血管化膵島を自己免疫から守り、移植後にまた1型糖尿病を発症するのを防ぐためにも、1型糖尿病の発症メカニズムの解析だったり予防の研究も並行して進む必要があるよなと興味はつきませんね。

 

このような素晴らしい研究の謝辞に2010年に研究助成した日本IDDMネットワークの名前が掲載されていることに笑みをこぼしつつ、日夜研究されて今回の成果を発表された先生や大学院生に敬意を表するとともに、この研究を支援された支援者のみなさまに感謝を申し上げます。

 

最後に、本研究が掲載された Cell Reports へのリンクを紹介します。

英語が得意な方は、こちらもどうぞ↓

 

Self-Condensation Culture Enables Vascularization of Tissue Fragments for Efficient Therapeutic Transplantation: Cell Reports

 

他の記事もそうですが、このブログで紹介されている内容は、全くの素人意見ですので専門的な立場の方から監修を受けているわけではありません。

正式な研究内容などは、原文を紹介しておりますので、そちらをご覧ください。