専門医以外の医療者や一般の方向けの「高齢者糖尿病治療ガイド2018」
最近問い合わせが多い高齢者の糖尿病の話題だったので目に飛び込んできたのが、下記のニュース。
一般の糖尿病では食事の摂取カロリーを抑えることが求められるが、高齢者は体重を減らさないようしっかり栄養をとることが必要。筋力トレーニングも有用という。
など、もっと前に知っておきたかったなと思ったら、3月に伺った「第52回糖尿病学の進歩」から発売されていたんですね...失礼しました。
相談対応をしていると高齢の1型糖尿病患者さん(罹患歴が長くて現在高齢の方もいれば、高齢で発症された方もいて様々)も珍しくないので、来週の第61回日本糖尿病学会年次学術集会でちら見させてもらって購入を検討したいと思います。
穴澤百合子さん〜息子さんの発症を契機に低糖質のお菓子作りへ挑戦〜
私が専務理事を務める 日本IDDMネットワーク の 公式Facebookページ でも全国や世界で活躍する患者さんの紹介は人気があるので、このブログでも紹介していきたいなと思っていたところに、患者さんではなくご家族で 1型糖尿病の患者・家族の皆さんのために活躍されている方を発見しちゃいました。
低糖質の焼き菓子工房・あんな オーナーの穴澤百合子さんは、息子さんの発症をきっかけに低糖質のお菓子作りを始められたそうです。
記事の中の、下記の記事にぶるっときました。
食べ盛りで身体も大きくなる子どもに「食事制限の意識ばかりでなく、安心して食べられるものを」と、低糖質の食品を探し回ったが、数も少なく、息子の口に合うものは見つからない。「ないのであれば私が作ろう」
1型糖尿病の患者さんにとって、糖質が血糖値を上げるのは確かですが、糖質制限ばかりに気持ちが行き、食事を楽しむことを忘れないでほしいなと思います。
FreeStyleリブレのセンサーは、飛行機に乗るたびに外す必要があるのか?
私は、FreeStyleリブレの愛用者です。
2016年の熊本地震の際に、福岡からの物資運びなどに夢中になっていたら自分の血糖管理がお粗末なことになっていましたし、ストレスも影響してかなかなか下がらない血糖値を下げたいと個人輸入で mmol/L (1mmol/L = 18mg/dL)表示の製品を使ったりしていました。
2016年から利用していると、仕事の関係で飛行機に乗ることも多く、インスリンポンプのセンサーに習って最新版のボディスキャナーや MRI のときだけ避ければ、問題ないと信じ込んでいました。
FreeStyleリブレって何?という方は、下記リンク先をご覧ください。
そしたら先日、いつも有益な情報を提供してくださる日本糖尿病協会さんの Facebook ページに目を疑いたくなる資料が掲載されました。
(PDF)インスリンポンプ・持続グルコース測定器は磁気の影響を受ける可能性があります。検査前に必ず取り外しをお願いいたします。
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/cgm_mri_2.pdf
いやいや、血糖自己測定器加算(月120回以上測定する場合)1,490点の診療報酬Maxでお願いしても1ヶ月に2個(28日分)しか処方されないものを、検査の度に外してたらたまりません...
要は、検査で何かあっても自己責任ですからねってことでしょうが、私の場合は、今まで装着したまま検査を受けても問題は生じなかったので、これからも着けたまま検査を通過することになりそうです。
検査前後のグルコース値と血糖値のデータの乖離率について調べたデータを集めれば、このお触書は収められるのでしょうか...
あまりにショックなお知らせでしたので、共有させていただきます。
え⁉︎糖尿病に種類があるの?
1型糖尿病になると、糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2つがあると説明しがちですが、実は原因別に分けると大きく以下の4つに分けられていることを知らない人が多かったりします。
① 1型糖尿病
② 2型糖尿病
③ その他の糖尿病(2次性糖尿病とも言う)
④ 妊娠糖尿病
ぜひ、自身の病気を人に紹介することの多い患者さん自身も知っておいてもらえたらと思いますし、自分も一患者としてしっかり勉強しようと思います。
詳細は、日本糖尿病学会糖尿病診断基準に関する調査検討委員会:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告,糖尿病53:455,2010からの引用も使って下記リンク先に紹介されているのでご覧ください。
そして、この記事を書くために参考となる情報を集めていたら、図付きで説明するサイトを見つけたので、ご紹介します。
個人的には、2型糖尿病は遺伝的要因も強くて、日本人だと BMI 値が正常でも関係なく発症することがあるよってことをもう少し強調してほしかったですが、見やすいなと思いました。
最近は、糖尿病は5つに分類できる――北欧で最新研究 - BBCニュースなんて研究もありますが、各個人の生活や体質によって治療を変えていかなければならない糖尿病の治療が、これまでの医学や科学技術の進歩に、オンライン診療や AI などが加わって、より各個人に最適化したものになっていくことを願います。
1型糖尿病が題材の漫画「Hello,world」がforMrs.スペシャル2018年6月号に掲載中!
漫画家の山田圭子先生が描かれた、1型糖尿病の少年を主人公にした漫画「Hello,world」が forMrs.スペシャル 2018年 06 月号 にて掲載中です。
山田先生は、秋水社WEB雑誌ロマンス・ユニコ(毎月第3木曜日公開)で「奪われよ、かの野獣に」を連載中で、代表作に『ゴーゴーヘヴン!!』などがあります。
また、1型糖尿病の主人公の恋愛を描いた 【1型】~この赤ちゃん1型糖尿病です~ とう書籍扱いコミックスも描かれています。
【1型】~この赤ちゃん1型糖尿病です~(書籍扱いコミックス)
- 作者: 山田圭子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2015/02/16
- メディア: コミック
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なかには細かい設定や医療行為について指摘される方もいらっしゃるようですが、私は漫画という世界でも親しまれている媒体で「1型糖尿病」という病気について知る機会を提案して下さった山田先生に感謝です。
forMrs.スペシャル 2018年 06 月号 に関しては、1型糖尿病だけでなく、更年期障害、摂食障害、大腸がんに膠原病などなど、いろんな病気を取り上げた漫画が集結しています。
一般の方はもちろん、すでに病気の方も、他の疾病についてまずは浅くでも広く知るきっかけにしてはいかがでしょうか?